【アニメ感想】かくしごと〜夏に見たい清涼感溢れる親子モノ〜
普段あまりアニメ見ないんですよね
思考が凝り固まって新しいものを受け付けられなくなってるなってやっと自覚したのでアマプラでアニメ漁り始めました
それでパッて目に付いたのがこの作品です
たしかギャグだったよな、と思いつつ見始めたら本当止まらない止まらない
今しがた見終わって感情を残したいので感想を書きます
あらすじ
隠し事は何ですか?
ちょっと下品な漫画を描いている漫画家後藤可久士。
一人娘の小学四年生の姫。
可久士は何においても愛娘・姫が最優先。
親バカ可久士が娘・姫に知られたくないこと。
それは…
自分の仕事が「漫画家」であること。
自分の"かくしごと"が知られたら娘に嫌われるのでは?!
"愛と笑い、ちょっと感動のファミリー劇場がはじまるーーー"
かくしごと公式サイトより
作品を通して感じる清涼感
この作品は片親の親子モノでありがちな人間関係のドロドロだったりそういうものを徹底的に避けてます。
その結果作品の中で見てて気持ちいいに溢れているんですよね
主人公の行動原理が娘の姫一筋という軸がぶれないこと(そもそも隠してる理由も姫を思ってですし)がそのまま主人公のキャラの良さに繋がります。
徹底的に親子モノのギャグアニメである事に1つ絞っているムダのなさが秀逸でした。
会話のテンポやギャグのバランス、展開も全体的に早めなのも清涼感に拍車をかけています。
話の意外性で勝負しよう!と言うよりは主人公と姫の片親の親子の話を徹底的に描かれてて、心が温まりました。
姫というキャラ付けも絶妙で片親特有の寂しさを感じつつもお父さんっ子ないい子なんですね。
このキャラ付のおかげで視聴者側に姫に対しての父性を感じて自然と主人公の可久士に感情移入をしてしまいました。
周りのキャラも主人公親子の状況に協力的なのも作品に変なノイズなく親子に集中して見ることができるのも〇でした。
こうしてちょっと歪な設定とは裏腹に余計な物をとことん排除していった結果作品全体に清涼感溢れる雰囲気を醸し出しています。
オープニング映像のような夏の透明感がありますね。
17歳パートについて
さて、ここまでで終わればただのギャグ親子モノなのですが、この作品を最後まで見てしまう引力を持つのは毎話の17歳の姫のパートがあるからです。
これまでの明るい雰囲気から一点、シリアスな雰囲気、未来で何かあったんだろうなと視聴者に嫌な予感をさせると同時にこの作品の終着点を予め置いておくのはある意味で斬新でした。
このパートがだいたい2分程度なのもそれまでのギャグを邪魔しないいい塩梅です。
それでも次へ次へと引っ張る力があるのですからこれは構成が凄いですね!
どこか悲しげな姫の表情、主人公に何かあったんだろうと察せられる会話、「かくしごと」は本当に書く仕事だけだったのか、と先が気になるに決まってるじゃないですか。
最終話、明かされる未来
主人公は筆を折り、力仕事の事故で意識不明。
記憶も歪んで姫が10歳だと思い込んでいて17歳の姫を認知できないとそれまでの話と一転してどシリアス。
まずここまでの展開をしっかり積み重ねたことに拍手ですね
それで話がうまいのはシリアスを引っ張りすぎない事。
初めて書く仕事をする父を目の当たりにする姫。
目のハイライトが消え、父が楽しそうならと7年前のまま漫画を描かせようと。
ただ可久士の行動原理は娘一筋である事、漫画を描くのは娘がいるからと聞かされて父の漫画で記憶を取り戻すシーン。
ここら辺の疾走感とそれまで積み上げてきた可久士のキャラだからできたこそ凄くいいシーンでした。
本当に感動しちゃいました。
主人公がアナログに拘っていたのも漫画家という設定だったのもここに意味があったんですね。無駄がない。
姫のために描き続けた漫画の原稿だから、漫画家として一流でなくてもアシスタントと担当と一緒に作り上げた原稿なのだから記憶のバックアップができた、思い出すことができた。
主人公の姫への愛情が本当に深い。
それでいて最後に姫が漫画家を目指している「かくしごと」で締めるのは本当にいいですね
「かくしごと」というタイトルにふさわしいラストでした
シリアスはありつつもスっと見てられてちょっと感動できるいいアニメでした。
それではノシ