【アニメ感想】ギルティクラウン〜1クール目王道2クール目性格悪い〜
より
こんにちは、またアニメの感想です
今回はギルティクラウン
名前は知ってるけどどんな話かわからないアニメランキング上位(偏見)という印象です
さて、それではいつもの通り感想です
あらすじ
アポカリプスウィルスの発生によって、GHQの統治下にある日本。 天王洲第一高校に通う桜満集(おうましゅう)は、ウェブで話題の歌姫、楪いのり(ゆずりはいのり)と出会う。 だが突然現れたGHQの軍隊が彼女を連れ去り、シュウは残されたシリンダーを手に、ロストクリスマスの惨劇で廃墟となった六本木フォートを目指した。 そしてレジスタンス「葬儀社」のリーダー・恙神涯(つつがみがい)と出会い、遺伝子兵器を巡る戦闘に巻き込まれる。 いのりを守るため、その身一つで人型遠隔兵器、エンドレイヴの前に飛び出したシュウ。――そのとき、彼は右手に、ある能力を得るのだった
SFなのに見やすい、丁寧な脚本
この話はゴリゴリに設定の固まってる近未来SFですね
ロボットが出てくるしわかりやすい勢力争いをしてます
ただこのアニメは非常に見やすいです
というのも序盤は基本的に1話完結だからですね
気弱系主人公も何話もグダグダ引っ張るとイライラしてきますが1話で落ち込む→成長を繰り返すので非常に見てて爽快でした
それでいてきちんと葛藤も描けているので美味しいですね
SFの退屈ポイントな世界観の説明も最小限の尺で済ませたりしてライトな視聴者への配慮を感じます
もちろん本作は本格的なSFから見ると設定のゆるさを感じるところはあります
ただSF見てみたいなと思う方への取っ掛りとしては中々おすすめですね
設定に注目するもよし、ついていけなくても1話完結なので1話1話充実感あるのでよしと見るハードルをとことん下げた上質でライトなSFという印象です
あまりにも秀逸なボイドの設定
この話が良かったのはボイドの設定です
主人公の能力で人の胸に手を突っ込むと心を形にしたアイテムが手に入ります
序盤はその場に都合のいいもの拾うご都合能力だなとあんまり好きではなかったです
ただこの作品の上で非戦闘であるキャラ達が足を引っ張りにくくなる点
主人公1人だけで無双することができなくなる点
いい意味で話を広げていい意味でキャラに価値を持たせるなかなか秀逸な設定だと感心しました
中盤の同級生達のボイドを切り替えて〜を助けに行くシーンなんかはほんとにボイドがあるこのアニメだからこそでありました
いやあ、なかなかよかったですねえ(遠い目)
上書いたの12話時点だったんですけども2クール目からはボイドを見る目が変わりました
まずボイドで作った装備が元々の人も使えるようになった所、
次にボイドが破壊されると元の人物が死んでしまう設定
この2つの設定が追加されてしまって主人公だけの特殊能力から人間関係をギスギスさせる呪いのようなものになりました
優しいが故に全てを守りたい主人公
そのためにボイド能力で区別をしないといけない葛藤
ハルが死んで闇堕ちしたように見えるのですが、主人公の本質は全く変わってないですね。
ただ最善の策が皆に支持されるとは限らないこと
皆を思ってるがゆえに皆から疎まれながらも支配するしかないこと
ただ1人ボイドを作り出せるのは自分だけだから
世界で1人だけの能力で俺TUEEEEするお話は数多ありますが、世界で1人だけ能力を持つ故に苦悩するという話の運び方は凄く性格が悪い(褒め言葉)
序盤で主人公の能力チートかよと少しでも感じてた身としてはとても皮肉なアンサーが返ってきてゾクゾクしました
最終的に序盤と同じように主人公1人が皆のボイドを使う展開
ただ皆の力を借りていた序盤と1人で背負い込むために皆の力を使う終盤
見た目は同じなのに中身が全く違う
おそらく序盤からこの展開を考えて積み上げてたんだなあと感心しましたね
いずれにせよ1人では何も出来ない能力の主人公が最後まで他人の力を借りるのは中々珍しいですし最後までボイドの設定の秀逸さを感じます
終盤の展開について
とりあえずネットでもよく言われますがストーリーが酷いという話
これはあまり感じませんでした
もちろんキャラを扱い切れてない感は否めません
特に終盤のダアトだとかそこら辺は積み重ねがない結果ぽっと出という印象が拭えないです
ただこの話において彼らの役割はどこまでも舞台装置
日本を荒廃させるウイルスの原因
終盤に人類を滅ぼそうとする悪役
要は話の発端と話に幕を引くための存在ですね
とりあえずこいつら倒せば話し終わるよ的なやつら
ぽっと出ですが最低限の尺と説明で何者か説明してあとは放置
この采配は英断です
だって世界がどうという話より高校生ボイド昼ドラの方が絶対面白いじゃないですか
ありきたりな黒幕の掘り下げより尺めいっぱい使って主人公達の話を描く
ちょっと卑怯に感じるくらい歪な配分ですが、そうした結果終盤のライブ感で突っ走るあのお話ができたのだと思います
広げた風呂敷を雑に畳むけど畳切れたのか少し怪しい
尺がないながら主人公と元葬儀社のメンバーに見せ場を作りたい
非常に欲張り、だからこそいい
結局あれなんだったんだと思う事はありますが、この脚本でこそギルティクラウンです。これ以外有り得ません
総評
- 1クール目はライトなSF
- 2クール目からボイドの設定を悪用した(褒め言葉)人間ドラマ
- ところどころ荒い脚本ですが、ライブ感で突っ走る終盤をみんな見て欲しい
それではノシ